2003年10月6日、この日は芸術鑑賞会だった。
この芸術鑑賞会にわざわざいらしてもらったのが林家木久蔵(現:林家木久扇)氏だった。
この一生であるかないかの貴重な体験ができるこの日、勇者は人並み外れたことを成し遂げたのだった。
まず、勇者はこの鑑賞会の開演前にこんなことを言った。
「暇だから頭の中でポケモンでもするわ」
意味不明だ。
ゲームボーイソフト「ポケットモンスター」をなんと脳内ですると言い出したのである。
そして勇者は瞑想でもするかのように黙って目を瞑った。
鑑賞会は開演し、林家きくお氏による落語などで体育館は盛り上がった。
その間も勇者は黙ってうつむいたまま脳内でポケモンをしていたらしい。
ぷくびぃ~が、勇者に「今どこまで進んだ」か聞いてみた。
勇者はこう答えた。
「今ハナダのジムでもうすぐ倒せる」
確かに、勇者は脳内でポケモンをやっていた。
しばらくして、再び勇者に聞いてみた。
すると勇者はこう答えた。
「今、おつきみやま。ピッピのなかなか出てこねぇ」
かなりの高度な脳内である。
勇者の脳内にはポケモン1の地図・その場所で出るポケモン・出現率・対戦相手のポケモンとそのレベル・ワザなどなど・・・
全てのデータをインプットしているらしい。
鑑賞会が終わるまでの約2時間。
勇者はずっと脳内でポケモンをしていた。
脳内でポケモン事件
これは勇者の脳内の恐るべき記憶力を表す、馬鹿馬鹿しい話であった。